拝啓、七尾旅人くん。 君はやばいもんつくっちゃったね。 いつかやりそうな気はしてたけど、君はとっくにつくっちゃってた。 幼稚園のお遊戯を思い出したよ。 1978年12月25日。教会の、誕生のお遊戯だ。 わたしはマリア様だった。イエス・キリストを抱いたよ…

あたしの身体のなかに蔓延っているヒステリーは、 レシピ通りに調味料を量れないような、 ピストルを口のなかに突っ込んで引き金を引きたくなるような、 近所の犬を殺したくなるような、そういう類のものだ。 だから、夕立を！ コールタールに沈みこんだ、口…

子供たちのために、蓮の花を摘んだ。ときどきは、花の中に子供たちがいた。そっと抱きあげて、熱い、ちいさな手をにぎる。わたしは仲介人で、子供たちに触れるのは、この一瞬だけだ。じきに手を離す。ひとりずつ引き渡す。蓮の花と一緒に。

なにかに熱狂しついには失神する、または原色のフィルターがかかる世界へのトリップ、ハルシオンブルーのパラドックス―― そんなカタルシスをずっと待ち続けている。